部署やエリアが変わる人事異動が定期的に実施されています。
人事異動は組織に大きな負荷がかかります。望む異動もあれば望まない異動もありますし、引継ぎによる業務量増だけでなく、担当変更による売上減やトラブル発生等もおきます。
ただ、人事異動はおこなわれ続けています。なぜ人事異動がおこなわれるのか?人事異動のメリットは何なのか?
この記事では、この疑問を解決できるように人事異動についてわかりやすく解説します。
今はテレワークや転勤なしなど、新しい働き方を各社が取り入れています。
これにより、働く人への負荷は低減できていしますが、個人や組織にはデメリットも生じています。人事異動の目的を理解すれば、どんなことが課題になるかがわかります。
私は、今まで人事異動を数十回経験しています。担当変更だけでなく、拠点の変更も経験しています。嫌なこと・悲しいことだけでなく、うれしかったことも沢山あります。そんな経験も踏まえて人事異動について解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
人事異動の「目的」
・組織成長のため
・働く人の成長のため
・上記2つを両立させるため
人事異動の目的は上記です。
人事異動の目的の「詳細解説」
人事異動とは、組織を変えることと、各組織に所属する人を変えることです。人事異動の目的の3つをそれぞれ解説します。
組織成長のため
戦略実行のための最適配置
組織成長のためには、適切な戦略を実行する必要があり、そのためには、適切な人員配置が必要になります。
時間の経過と共に事業環境が変わるので戦略を変える必要があります。
会社は既存事業を守りながら、新規事業を成長させることが必要です。新規事業の成長を加速させようと思えば、既存事業から新規事業に人を異動させる必要に迫られる場合もあります。
また、退職は常におきますので、部署により人材の不足感のかたよりがでてしまいます。
したがって、定期的に戦略を実行する組織をチューニングする必要があるため、人事異動が必要になります。
働く人の成長のため
経験を能力に変える環境を与える
全ての会社にとって、従業員にどのように成長してもらうか?はとても大きなテーマです。
成長のためには、様々な経験を積むことが必ず必要になります。
成長とは?
今と違う自分になることです。
成長の中に「長」が含まれているので、「成長」という名詞と「成長する」という動詞はほぼ同じ意味になります。
一般的に「成長するとは?」とは、大きくなったり、おとなになったり、できないことができようになることです。
となります。
「今と違う自分になる」を分解すると、
「知らないことを知る」「できないことができるようになる」になります。
(詳しくは、「成長とは?」「成長する方法とは?」をわかりやすく解説を参照)
さまざまな経験をする必要性
今できていることをいくら経験しても、今までの知識と能力で対応できるので新しく得ることがありません。
同じ年月の仕事の経験において、今の知識と能力で対応できない仕事をおこなうことがとても大事になります。
したがって、人の成長を考えると定期的に仕事を変える必要があるのです。
同じ仕事でざまざまな経験がつめるか?
同じ仕事でも成長できますという意見もあります。確かに本人に意識が高い場合、同じ仕事の中でも、新しいことを見つけてチャレンジすれば成長できます。
ただし、自分の意識でそこまでできる人がどれだけ多いか?に制約されます。
また、ひとつの部署のスペシャリストだけでは、組織は運営できません。組織を回す立場(管理職)が必ず必要です。
管理職の課長として自分の経験してきた組織で働き続ければいいのですが、組織の最適配置での異動や部長になるなどで、経験のない組織を担当することになります。
結果、同じ仕事での成長には制約があることと、違う仕事をおこなう必要性に迫られるため、変わることを前提とした成長を考える必要があります。
「組織成長」「働く人の成長」を同時に実現
組織を優先するではなく、働く人を優先でもなく、両方実現する方法が人事異動
組織を優先すれば、働く人の成長が阻害されます。働く人を優先すれば組織成長が阻害されます。この二律背反問題を解く方法が人事異動なのです。
管理職以上の人はこの課題を解くことが仕事です。
ただ、これがやりたくてもできない組織もあります。
特定の得意先を10年以上担当し続ける営業担当が、沢山いる会社もあります。営業担当が変えると売上が落ちるからです。
組織都合で、働く人の成長を実現できていないパターンです。
この2つを同時に実現することはとても難しい課題です。したがって、この二律背反課題に真摯に向き合っている会社はとても良い会社と言えます。
人事異動の「まとめ」
・組織成長のため
・働く人の成長のため
・上記2つを両立させる
二律背反問題 かつ 感情が絡みますので人により人事異動のとらえ方が変わります。これが人事異動の難しさでもあります。
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