各社で部署や地域が変わる人事異動が行われます。人事異動の季節になると、各社とも色騒がしくなりますね。
人事異動は、組織には間違いなく負荷がかかります。担当変更による業務量が増えたり、引継ぎロスと言われる、担当変更による売上減やトラブル発生等もおきます。
でも、人事異動はおこなわれます。なぜ人事異動がおこなわれるのか?人事異動のメリットは何なのか?と思った人も多いかと思います。
この記事では、この疑問を解決できるように人事異動について、わかりやすく解説します。
また、今はテレワークや転勤なしなど、新しい働き方を各社が取り入れています。
これにより、人事異動の目的を達成できないことも懸案として出てきています。人事異動の目的を理解すれば、どんなことが課題になるかもわかるようになります。
よしつは、今まで人事異動経験は数十回あります。嫌なこと・悲しいことだけでなく、うれしかったこともあります。そんな経験も踏まえて本来の目的を解説していきます。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが書いています。
(あせて読みたい 知っておきたいビジネススキル向上のための基礎知識をまとめてわかりやすく解説)
人事異動の「目的」
- 戦略実行のための最適配置
- 働く人の成長
人事異動の目的は上記2つです。そしてこの2つを同時に実現する手法が人事異動です。
人事異動の「詳細解説」
人事異動とは、組織図を変えることと、各組織に所属する人を変えることです。当然何かの意図があります。
その意図はすでに目的で記した2つです。
戦略実行のための最適配置
組織は戦略に従うのか?戦略は組織に従うのか?については、色々は議論がありますが、よしつの考えでは、組織は戦略に従うです。
なぜ組織は戦略に従うのか?

目指す姿(=ゴール)があり、ゴールと現状との差が問題で、問題の中から解くべき問題が課題で、課題解決のための作戦が戦略です。
会社は、上記の流れで仕事をしています。
(詳しくは、「ゴール・課題・戦略を1枚の絵で表す」超簡単解説&使い方紹介を参照)
戦略は仮説=作戦=実行前のものなので、実行する必要があります。
実行した結果が、最大限効果が発揮できるように最適な組織を作る必要があります。
良い作戦=良い戦略があっても、それがちゃんと実行されないと良い戦略ではなくなる。なぜなら結果が出ないからです。
だから、最高の戦略を立ててから、結果を出す実行力を担保する組織を作る必要があるので、組織は戦略に従うとなります。
ということは、戦略が変われば当然組織を変える必要があるので、人事異動が必要になります。
働く人の成長
一方、働く人の成長も会社は考えます。なぜなら、組織は結局人が支えるからです。
だから、各人にどのように成長してもらうかは、とても大きなテーマです。
成長のために必要なことは、様々な経験から学ぶことです。特にやったことがないことを乗り越えていく経験が必要です。
できることをいくら経験しても今までの知識と能力で簡単にできてしまいます。
ということは、同じ年月の仕事の経験では、今までやったことがないことを沢山するのか?今までと同じことをし続けるのか?では学びに差が出てしまいます。
だから、人の成長を考えると定期的に仕事を変える必要があるのです。
そうすることで、今までの知識に加えて、新しい知識を加えることで、今までとは違う能力が発揮できます。
でもこの話をすると反論が出てきます。同じ仕事でも成長できますよ!と。
確かにスペシャリストを目指すのであればその通りです。でも、企業ってスペシャリストだけでは、回りません。
絶対に組織を回す立場(管理職)が必要です。
その人たちがいないと、各個人が自分勝手に解釈して、バラバラなことをやり続ける組織となります。
だから、会社の方向性や課題を解決する人たちを育てないといけないのです。そのためには、様々な経験が必要なのですね。
でもこれがやりたくてもできない組織もあります。
特定の得意先を10年以上担当し続ける営業担当が、沢山いる会社もあります。
このパターンは、営業担当を変えると売上が落ちたりなくなったりする不安があります。
これ真因はシンプルです。会社の強みで受注しているのではなく、個人のスキルで受注しているだけなのです。
会社の強みを作ることを放棄して、個人に任せてしまっているんですね。
会社の都合で、本来育ってほしい人を育てない環境に置くことになっています。
だからこそ、この真因を解決する管理職(経営者含む)を作らないといけないのです。
戦略を実行するために、各業務で長い経験があり、内容を熟知した人たちで実行する方が、実行する力が上がることは間違いない。
ただ、そうすると、人が育たない。この二律背反問題を解くことが人事異動なのです。
人事異動の「まとめ」
- まずは戦略を立てて、それを実行する組織を作る
- その際に人を育てることも同時に行う
- この二律背反問題を解くのが人事異動
二律背反問題 かつ 感情が絡みますので、人により人事異動のとらえ方が変わります。
その際は、2つの目的に立ち戻ってください。
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