似たような言葉に相関関係と因果関係があります。この違いってわかりづらいですよね?
ただ、この違いを理解するには、「現象と原因」という切り口で理解するととても分かりやすくなります。
この記事では、この相関関係と因果関係の違いの説明を、現象・原因の切り口でわかりやすく解説します。合わせて使い方も紹介します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
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(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
相関関係と因果関係の違いとは?
・2つの別の現象(結果)で関係性があるのが相関関係
・1つの現象(結果)とその原因の関係である場合が因果関係

上図で①にように別々の現象(結果)に関係性があれば「相関関係」、②のように、ひとつの現象(結果)の原因という関係性であれば「因果関係」です。
現象と原因の違いは?

現象と原因の違いは、「何かを行った(行わなかった)場合」の結果が「現象」で、「現象」を引き起こしたものが「原因」です。
「現象」とはあくまで表層で見える部分=結果です。「結果」に至った「原因」は、見えない部分の深層部分に必ずあります。
(現象と原因の違いは、「現象」と「原因」の違いをわかりやすく解説を参照)
相関関係と因果関係の違いの「詳細解説」
では、まず相関関係と因果関係のそれぞれの説明をした上で、違いを詳しく説明します。
相関関係とは?
2つの別の現象(結果)において関係性があること
相関関係とは、2つの異なる現象(結果)の間に、何らかの関係性があることを指します。
この2つの現象はあくまで並列の関係にあり、どちらかがもう一方の原因となるわけではありません。
具体的には、片方の数値が変化すると、それに合わせてもう一方の数値も変化する場合に「相関関係がある」と言えます。
正の相関関係とは、片方の数値が上がると、もう一方の数値も上がる場合です。負の相関関係とは、片方の数値が上がると、もう一方の数値が下がる場合(逆の動きをする場合)です。
因果関係とは?
1つの現象(結果)とその原因の関係
因果関係とは、ある1つの現象(結果)が、特定の原因によって引き起こされている関係を指します。
つまり、「原因」があって初めて「現象」が起こるという、明確な主従関係が存在します。
相関関係と因果関係の違いの具体例
「雨が降ること」と「川が増水すること」は、多くの場合、相関関係にあります。雨が降れば川の水位が上がる傾向にあるのは事実です。
しかし、「川が増水した」という現象の原因が、必ずしも「雨が降ったこと」だけとは限りません。
例えば、上流のダムの放水が原因で増水することもあります。また、川が増水したからといって、必ずしもその場で雨が降っていたとは限りません。
このように、相関関係は「2つの現象が同時に起こりやすい」という関係性を示すものであり、一方がもう一方の原因であるとは限らないのです。
一方、因果関係は「現象(結果)」と「原因」が明確に一致します。
例えば、「スマートフォンを長時間操作する」と「スマートフォンの充電が減る」という関係は因果関係です。
充電が減るという現象は、スマートフォンの操作による電池消費が直接的な原因であり、他に考えられる要因は通常ありません。
相関関係があるかないかの調べ方
2つの現象に相関関係があるかどうかは、統計的な「相関係数」を算出することで調べられます。
実務では、ExcelのCORREL関数を使うのが最も手軽で一般的です。対象となる2つの現象の数値をExcelに入力し、CORREL関数を使用すれば、瞬時に相関係数が算出されます。
手動での計算式は複雑なため、Excel関数の活用をおすすめします。
相関係数 | 相関 |
-1~-0.7 | 強い 負の相関関係がある |
-0.7~-0.4 | かなり負の相関関係がある |
-0.4~-0.2 | やや 負の相関関係がある |
-0.2~ 2 | ほとんど相関関係がない |
0.2~ 0.4 | やや 正の相関関係がある |
0.4~ 0.7 | かなり正の相関関係がある |
0.7~ 1 | 強い 正の相関関係がある |
相関係数は-1~1で表示されます。上記は、出た数値に対する目安となります。
正の相関関係とは、一方の数値が増えれば、他方も増える場合です。
負の相関関係とは、一方の数値が増えれば、他方が下がる場合のように、逆に動くことです。
因果関係があるかどうかの調べ方
因果関係は、相関関係のように数値で明確に表せるものではありません。
そのため、ある現象(結果)が本当に特定の原因によって引き起こされているのかどうかを、論理的に判断する必要があります。
具体的には、「原因がなければ現象は起こらないか?」「原因があれば必ず現象が起こるか?」といった観点から検証を進めます。
相関関係と因果関係の「使い方」
相関関係と因果関係の使い方を紹介します。
相関関係の使い方
相関関係は、主に仮説の検証に役立ちます。
例えば、「労働時間が長いほど、従業員のスキルも向上するのではないか?」という仮説があったとします。
この仮説が正しいかどうかを個人の主観で判断するのではなく、データに基づき全体的な傾向として相関があるかを検証する際に、相関係数を用いることができます。
相関係数を算出することで、仮説に「関係性がある」という事実を客観的に裏付けることが可能になります。
因果関係の使い方
因果関係は、ある現象がなぜ起きたのか、その根本的な原因を特定する際に用いられます。問題解決や改善策の立案において、原因を正確に把握することは非常に重要です。
例えば、「売上が減少した」という現象に対し、「広告費を削減したため」という明確な原因が特定できれば、具体的な対策を講じることができます。
相関関係と因果関係の違いの「まとめ」
・2つの別の現象(結果)で関係性があるのが相関関係
・1つの現象(結果)とその原因の関係である場合が因果関係
この2つの概念は混同されがちですが、「現象と原因」という切り口で明確に区別して理解することで、適切な状況判断や意思決定が可能になります。
相関関係を因果関係と誤解するよくある間違いも、この区別によって防ぐことができるでしょう。
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- 「知識」と「能力」と「スキル」の違い
- 「部分最適」と「全体最適」の違い
- 「現象」と「原因」の違い
- 「真実」と「事実」と「意見」の違い
- 「理想論」と「現実論」の違い
- 「戦略」と「戦術」の違い
- 「問題」と「課題」の違い
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