悪い組織に多く発症する「無謬性(むびゅうせい)」とは?

6.いい会社の判断方法
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無謬性(むびゅうせい)を発症している会社や組織への転職は、間違いなく失敗となります。

悪い会社には悪い現象はたくさん起きていますが、無謬性(むびゅせい)はその中でも厄介で根深いものだからです。

言葉を聞いたことがない人も多いでしょうが、おきている現象を体感したことがある人はいると思います。

この記事では、この「無謬性(むびゅうせい)」とは?と、どのような傾向の組織に起きやすいかを解説します。

組織の大きな課題である「無謬性」を知っておくと、退職判断の参考になるだけでなく、転職の際の会社選びに役立ちます。

この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、知っておきたい いい会社の判断方法

無謬性(むびゅうせい)とは?

思考や判断に誤りがないこと

誤らないという人はいませんが、人が集まってできている組織でこの症状が現れます。

この症状が発生すると、過去のことすべて正しいことが前提となってしまい、組織をより良く変化させる肝となる、PDCAがまわらなくなります。

過去が正しいので、振り返って改善すること自体がおかしくなるからです。

当然組織がおかしくなっていきます。

・なぜ無謬性が組織に発症するのか?
・無謬性を発症している組織の見分け方

に分けて詳細に解説します。

なぜ無謬性(むびゅうせい)が組織に発症するのか?

「間違ってはいけない」に過剰反応するため

人は間違います。そして、間違ったことで多くのことを学び成長します。

ただ、間違ってはいけない文化が根付いている組織が多くあります。

このような組織では、当初は間違えないようにしているのですが、徐々に間違えを隠す行動、間違えを認めない行動が起こります。

これらが飛躍していくと、今までのおこないに間違いがないという考え方が根付くようになります。

・評価が減点主義
・社内政治で物事が決まる

組織に上記2点が当てはまれば、無謬性が発症しやすくなります。

それぞれ解説します。

評価が減点主義

失敗が悪なので、失敗を認めたがらない

減点主義では、失敗すると評価が下がります。ということは、昇進にも影響します。

したがって、失敗を素直に認めない風土になりやすくなります。

結果、自分の失敗を隠す、人のせいにするなど、自分の評価が下がらないような行動をする人がでてきます。

悪いことに、この行動を取る人が出世することも多く、結果、失敗を認めない文化が定着します。

その上、失敗は何かに挑戦すればするほど失敗の可能性が高ますので、挑戦しない風土も出来上がってしまいます。

共に、組織を腐らせる行動です。

社内政治で物事が決まる組織

正しいかどうかではなく、誰が言ったかが重要になる

社内政治が蔓延すると、経営層や上司が人の評価を能力ではなく、自分の仲間かどうかで出世を判断するようになります。

結果、上司に取り入る、人を蹴落とすことで、自分が優位な立場に立とうとする人が必ず現れます。

また、会社に発生している問題点は、その問題の旧担当である現経営者や上司の未解決問題です。

ということは、問題点の指摘は、問題を解決できなかった現経営陣や上司の批判となります。

したがって、過去の問題を問題として真っすぐにとらえることができなくなり、間違っていることが間違っていないことになるのです。

これが、まさしく無謬性(むびゅうせい)です。

「この案件は、社長が部長の時に判断したことだから、触らないように」というような会話がなされます。

実際に聞いた言葉です。

無謬性(むびゅうせい)を発症している組織の見分け方

無謬性を発症しやすい組織の具定例と特徴を紹介します。

無謬性(むびゅうせい)を発症しやすい組織の具体例

伝統的日本企業(JTC)、官僚、自治体職員、検察、警察、裁判所

このような会社や組織に多く見られます。TVドラマ等で誇張して表現されていますが、あながち誇張ではない部分もあります。

無謬性を発症する組織の特徴

・成長が止まった古く新卒入社比率が高い組織
・間違うと問題となる業界
・個人評価がしづらい組織

上記3つが特徴です。それぞれ解説します。

成長が止まった古く新卒入社比率が高い組織

成長が止まった古い会組織は、当然ながら過去に大きく成長している時期があります。

ただ、そのビジネスモデルが古くなり、新しい事業構築がうまくいかないがゆえに、成長が止まっています。

その上、新卒入社比率が高いので、経営陣も新卒入社が多くなります。

このような組織では、過去の成功体験から脱却できずに経営改革ができません。

また、先輩後輩、好き嫌いの関係が長い年月で出来上がっており、活発な意見交換ができない土壌となっています。

当然社内政治も活発化している状態となります。

(詳しくは、新卒入社が多い古い会社でおきる一番の問題とは?を参照)

もちろん、公的組織も同じです。

過去の高度成長時代では外部の問題に皆が集中していますが、成長が止まると、内部の問題が大きくなります。

間違うと問題となる業界

間違えたではすまない業界があります。例えば公的機関です。

できて当たり前なので、判断の基準がどうしても前例が大事になりますし、人事評価の方法がプラス評価できないため、マイナス評価になりやすくなります。

また、明確な数字目標が設定しづらいことと、法律が仕事のコアにあるため、過去のことが間違いだとは言えなくなります。

結果、無謬性という風土風習が定着します。公的機関は古い組織がほとんどなので、より強固な風土風習となっています。

個人評価がしづらい組織

チーム全体で何かに取り組む組織や公的機関等では、責任の所在が不明確になります。

このような組織では、リーダー以外は目の前の仕事を完了することがゴールとなるため、「結果責任」はリーダーだけが持ち、各個人に求められるのは行動だけになりがちです。

結果、個人の評価はプラス評価がしづらいので減点主義になりやすくなります。

あわせて、上司のさじ加減で人事評価されることになりますので、社内政治も起きやすくなります。

同じような現象は、評価制度があやふやな一般企業でも起きます。

無謬性の解消の仕方

改革リーダーが出てきた時だけ解消できます。

長く定着した風土風習を真逆に変えることになります。簡単ではありません。

したがって、何もかもぶち壊すことができる改革者が出てこない限り、変わることはありません。

無謬性(むびゅうせい)」とは?の「まとめ」

思考や判断に誤りがないこと

誤らないという人はいませんが、人が集まってできている組織でこの症状が現れます。

この症状が出ている組織は、変革が難しく、居心地が悪く、風通しも悪い組織となります。

今の組織にこの症状が出ていれば、転職を検討することが必要になりますし、転職先では選んではいけない組織となります。

他にも良い会社悪い会社の見分け方の記事を書いています。参照下さい。

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