転職活動で精神的に追い詰められることの一つに、「書類選考でなかなか通過できず、面接にすら進めない」という状況があります。
面接で不採用になるのはまだしも、その手前の書類選考でつまずいてしまうと、「転職活動のスタートラインにすら立てない」と強く落ち込んでしまう方も少なくありません。
しかし、書類選考を突破するためのポイントを押さえれば、通過率は格段に上がります。
この記事では、20代の方に向けて、転職における書類通過率を上げるための考え方と具体的な方法を、わかりやすく解説します。
この記事は、
・3回の転職経験
・中途採用の責任者の経験
・多数の書類選考・面接の経験
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 転職の知識(転職判断から入社まで)
書類通過率を上げるには?
・自分を必要とする会社にちゃんと自分を伝える
・沢山応募する
・企業が見ているポイントを知る
この3つが書類通過率を上げるポイントになります。
書類選考の理由、書類通過率とは?を解説した後に、3つのポイントを解説します。
書類選考の理由
まずは、そもそも書類選考がなぜあるのか?まずはこの理解をしておくことが大事になります。
企業側の書類選考の目的
面接時間の最小化
企業側の書類選考の目的は、面接時間の最小化のためです。
採用する側は、時間がかかる面接時間を減らすことと、良い人材を採用する二律背反問題を抱えています。
面接時間は、30分~1時間程度は取ることになり、下準備を含めると1名当たり最低1時間は時間が必要です。
その上、1名では基本面接はおこなわないので、複数名の時間確保が必要になります。
また、1日MAXでも8名しか会えません。
採用人数の大小、採用以外も業務をおこなっているかどうかにもよりますが、とても時間がかかります。
したがって、面接する人を厳選する(=2次に上げる確率の高い人に絞る)必要があり、履歴書と職務経歴書のみで判断します。
求職者の書類選考の目的
面接に進むこと
求職者の方の目的は、採用されるために面接に進むことです。
上記のような採用担当者の実情の中で、どう書類通過するかについては、採用企業の選考基準にすべてゆだねることになります。
ただ、採用基準は求人情報等には記載されていないので、企業にゆだねるしかないのが実情です。
書類通過率とは?

書類通過率=書類通過数/書類応募数
書類通過率は上記で表します。
上記の式から、書類通過率を上げるには、
・書類通過数を増やす
・書類応募数を上げる
この2つに打ち手を分けることができます。
書類通過数を増やすには、「自分を必要とする会社にちゃんと自分を伝える」ことが大事になります。
書類応募数を上げるには、シンプルに「沢山応募する」必要があります。
また、これら2つの行動を効率的におこなうためには、「企業が見ているポイントを知る」必要があります。
これら3つが書類通過率を上げる方法になります。
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
自分を必要とする会社にちゃんと自分を伝える
応募書類をしっかり書く
履歴書と職務経歴書は、あなたの第一印象を決める非常に重要な書類です。 「しっかり書くこと」が、書類選考突破の第一歩であり、最も基本的なことです。
内容を過剰に「盛る」必要はありませんが、少しの「化粧(表現の工夫)」は効果的です。
中途採用の書類を日々確認していると、応募者によって記載内容の差が非常に大きいと感じます。
人材紹介会社経由の応募は添削されていることが多く、充実した内容が多い一方で、転職サイト経由の応募は情報が不足しているケースも散見されます。
面接に進めるかどうかの判断は、この2つの書類にかかっています。情報不足によって機会を逃してしまうのは、非常にもったいないことです。
沢山応募する
とにかく応募を沢山する
「とにかく応募しまくる」というシンプルな行動が、書類通過率を上げる上で非常に効果的です。
企業の採用基準は、求職者側からは把握しきれません。大手企業、中小企業に関わらず、少しでも興味がある企業には積極的に応募してみましょう。
ここで重要なのは、「気になる会社にだけ応募する」のではなく、「絶対に働きたくない会社以外はできるだけ応募する」という考え方です。
20代のうちは、まだ企業を見る目が十分でないことも多く、思わぬ優良企業を見逃してしまうケースも少なくありません。
多少の手間はかかりますが、応募数を増やすことで、自分に合った優良企業と出会える確率を格段に高めることができます。
効率的に企業を探したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
(詳しくは、自分にあった会社の見つけ方!やりたいことが見つかっていない人向けに解説を参照)
企業側が見ているポイントを知る
経験ではなく人物で見られている
20代の転職において、職務経歴は実はそれほど重視されません。数年の職務経験だけでは、応募者の能力を判断しづらいからです。
では、採用担当者は何を見ているのでしょうか?それは、あなたの「人物像」や「行動特性」です。
ここでは、書類から読み取れる応募者の行動特性について、具体的に解説していきます。
転職ごとに在籍期間が短くなっていないか?
転職を繰り返すたびに在籍期間が短くなっている場合、採用担当者には非常にネガティブな印象を与えます。「嫌なことがあるとすぐに辞めてしまう」「計画性がない」といったマイナスイメージにつながるためです。
よくあるケースとして、1社目を3年で退職後、ブランクなく2社目に転職するも6ヶ月で退職(ブランク発生)。その後、3社目に転職するも3ヶ月で退職し、再びブランク中に転職活動を行う、といったパターンです。
もし、2社目や3社目での在籍期間が前職よりも延びている場合は、最初の会社選びが合わなかっただけと判断され、転職回数のデメリットを払拭できる可能性があります。
そのためにも、2社目や3社目への転職は、より慎重に、深く考えて行うことが重要です。
ブランクの回数
複数回転職している場合、ブランクが多いとネガティブな印象を与えがちです。特に2回以上のブランクがあると、「何か少しでも嫌なことがあると、すぐに退職してしまうのではないか」という懸念を持たれる可能性があります。
一方で、転職回数が多くても、ブランクがない場合は、「計画的に転職活動を進めている」と評価され、むしろ好印象につながることもあります。
履歴書・職務経歴書に抜け漏れや誤字脱字はないか
履歴書や職務経歴書に、情報漏れ、記載内容の不足、あるいは誤字脱字がある場合、非常にネガティブな印象を与えてしまいます。
「重要な書類をきちんと作成できない人は、実務でも同じようなミスをするのではないか」と判断される可能性があるためです。
書類の内容で嘘をつくことはできませんが、誰でも丁寧に、そして正確に作成することはできます。ここは意識して取り組みましょう。
簡潔でわかりやすく書かれているか?
採用担当者は、日々大量の応募書類に目を通しています。残念ながら、すべての内容をじっくりと読み込んでもらえるわけではありません。
そのため、あなたの書類は「簡潔に、わかりやすく、そして重要なポイントから先に」書かれている必要があります。
このような書類を作成できる人は、「相手の立場に立って物事を考えられる人」と評価され、好印象につながります。
特に、書類の冒頭部分にあなたのアピールポイントを簡潔に箇条書きでまとめておくことをおすすめします。最初に重要な情報を示すことで、担当者の目を引くことができます。
写真は思った以上に見られている
書類の内容とは少し異なりますが、証明写真も合否を左右する非常に重要な要素です。
採用側は限られた情報の中で合否を判断するため、写真から読み取れる情報も重要視します。ここで言っているのは容姿のことではありません。
「少しのこだわり」と「好印象を与える工夫」が、写真には求められます。
・写真自体が暗くないですか?
・元気な雰囲気が出ていますか?
・自撮りがばれてませんか?
・カジュアルすぎませんか?
これらの「些細なこと」が、あなたの行動特性を判断され、書類選考の可否に影響を与えることがあります。
例えば、転職という人生の大きな転機において、明らかに自撮りだとわかるような、肩が不自然に上がった写真を見たとき、採用担当者として「この人は、とりあえず応募してきただけだな」と感じた経験が何度もあります。
見られているポイントを知るの「まとめ」
20代の皆さんは、まさに成長の過程にあります。そのため、現在のスキルや自己アピール、志望動機といった表面的な要素だけで判断すると、企業側は将来性のある良い人材を見逃してしまう可能性があります。
なぜなら、これらは「つくろう」と思えばいくらでもつくれますし、年齢とともに変化していくものだからです。
しかし、人の「行動特性」は基本的に変わりません。だからこそ、採用担当者は行動特性を重視して見ています。
行動特性を探る質問は、「なぜそのような選択をしたのか」という背景に現れます。例えば、私は面接で必ず、大学、サークル、アルバイト、就職、転職、それぞれの選択理由を深く掘り下げて聞きます。
そこで聞きたいのは、単なる「言葉」ではありません。「なぜそう考え、そのような行動に至ったのか」という思考プロセスや行動パターンを知りたいのです。
このことから言えるのは、もし行動特性ではなく、表面的なスペック(経歴やスキル)だけで合否を判断する企業であれば、人を表面的にしか見ていない可能性が高いということです。
そのような企業に入社してしまうと、入社後に苦労する可能性が高まるでしょう。
また、手書きの書類は、現代の転職活動においては避けるべきです。まったくの無意味であり、むしろマイナス評価につながります。今の時代に効率の悪い行動をする人だと判断されてしまうためです。
もし手書きでしか受け付けない企業があるとすれば、それは現代の採用基準や効率性を理解していない、旧態依然とした企業である可能性が高いです。そのような企業に入社したいと本当に思いますか?
加えて、企業研究は、書類選考に通過してからで十分に間に合います。したがって、書類選考の段階で「志望動機」を詳細に記載する必要はありません。もし記載が必要であれば、テンプレートを活用する程度で問題ないでしょう。
現在の転職市場において、企業側は「非常に難しい採用環境」に直面しています。そんな中で、応募者に詳細な志望動機を求める企業は、現状を勘違いしている可能性があります。
大手・中小企業を問わず、採用する側がそこまで強気な採用活動はできないのが実情です。
書類通過率を上げる方法の「まとめ」
・会社にちゃんと自分を伝える
・応募を沢山する
・見られているポイントを知る
この3つがポイントになります。
転職活動は、「採用される」という一方的なものではなく、企業との「出会いの場」と捉えたいです。
より多くの企業とコミュニケーションを取り、あなたのことを正確に伝えることで、良い出会いの確率は飛躍的に高まります。
そして、その「伝え方」を最適化するためには、企業があなたの何を見ているのかを理解することが不可欠です。
内容を過剰に「盛る」ことは後々苦しむことになりますが、応募書類を丁寧に作成し、できるだけ多くの企業に応募することは、あなたの転職活動を成功させる上で非常に重要です。
その他にも転職活動時に知っておきたいことの記事を書いています。参照下さい。
- 「転職エージェント・転職サイトの選び方」
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- 「求人募集内容の裏の見方」
- 「会社口コミサイトの見方の注意点」
- 「採用面接で知っておいてほしいこと」
- 「面接の逆質問で絶対聞きたい3つのこと」
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