会社ごとに様々な組織図があります。組織図を見ると、その会社の様々なことがわかります。
では、なぜわかるのでしょうか?
組織図とは、戦略を実行する体制を表しているからです。単なる組織体を表したものだけではなく、結構奥深いのです。
この記事では、この奥深い組織図の見方・考え方・種類についてわかりやすく解説しています。
これを読めば、組織図を見た時に、今までよりも多くのことを読み解くことができるようになりますよ。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
組織図からわかることは?
・組織は戦略に従うため、戦略が想定できる
・戦略実行の分業体制がわかる
・指示命令系統がわかる
・会社の大きな問題が起きる場所がわかる
組織図を見ることで、上記4つのことがわかります。組織図とは?を紹介した後に詳細を解説します。
組織図とは?
組織図とは組織体制を明記した図
これが組織図です。
では、そもそも組織を作る目的は何でしょうか?
1人ではできないことができること
これが会社組織の本質です。
(会社組織の本質の詳細は、「会社組織」の本質とは?をわかりやすく解説を参照)
ただ、会社組織が構成される時に、必ず必要なものがあります。
・人が集まること
・共通の目的があること
・分業されていること
・仕組みやルールが整備されていること
この4つが必要で、3つ目の分業されていることを表現したものが組織図です。
組織図からわかる4つのこと「詳細説明」
組織図からわかる4つのことを、それぞれを詳細に解説します。
組織は戦略に従うため、戦略が想定できる
組織図は戦略を実行する体制図なので、戦略が想定できる
「戦略が先か?組織が先か?」について、さまざまな意見があります。
ただ、言葉に置き換えて表現すると「作戦が先か?実行が先か?」となります。
戦略とは「〇〇する」ということなので、まだ、実行前の作戦です。
組織とは「〇〇をおこなう体制」なので、実行する部隊のことです。
ということは、作戦なき実行?作戦を立てて実行?どちらが良いのか?という話になります。
当然作戦を立ててから実行したほうが、良い結果が生まれます。
したがって、私は組織は戦略に従うと考えてます。結果、組織体制を表した組織図から戦略が読み解けるのです。
戦略実行の分業体制がわかる
組織図の枝分かれが分業を表現
組織とは人の集まりです。同じ内容の仕事を複数人で行うのは非効率し、必要な専門知識を全員が習得するのは非効率です。
したがって、各自の責任の範囲と業務を明確にし、組織のトータルパフォーマンスを上げる分業体制を構築します。
分業とは、仕事をヌケモレダブリなく分けて、担当と責任の範囲を決め、各自が任された領域をおこなうことです。
分業するメリットは以下の2つです。
・各自のやることが明確になり、仕事のヌケモレがなくなる
・与えられた役割を繰り返しおこなうので、スキルが上がる
ヌケモレなくすべての仕事ができ、各自が担当する仕事のスキルが上がるので、全体の生産性が上がることになります。
その分業体制を明確にしたものが組織図になります。
指示命令系統がわかる
役割がわかる
組織内での役割が一目で理解できる
上記のような組織が一般的ですが、一番上に社長がいて、営業部・製造部・開発部などの業務内容で部署を分ける。
それぞれの責任者を部長として任命し、部長は任務ごとに課を設定し、課長及びメンバーをあてがって組織を作ります。
上図を見れば、誰が誰の上司か?誰が決裁するのか?がわかります。
「責任と権限委譲と分業体制」がわかる
「責任と権限委譲」と「分業と報告・連絡・相談」の関係性が一目で理解できる
上記の通り、組織には、「責任と権限委譲」と「分業と報告・連絡・相談」の関係性が発生します。
社長には、営業部・生産部に権限移譲するとともに、このように分けたことと責任者を任命した責任が発生します。
営業部長・生産部長は、社長から権限移譲されたので、設定された目標と進捗等の報告・相談義務が発生します。
部長と課長、課長とメンバーの関係も同じです。
このように指示命令系統が全部つながっていきます。このように指示命令系統を明確にしたものが組織図です。
(報連相の詳細は、「報告・連絡・相談(報連相)」を組織の仕組みを元にわかりやすく解説を参照)
役職の上から下に命令及び権限委譲され、下から上に義務の完遂と報告義務が発生します。
ちなみに、上下という表現を避けるため、組織図をあえて左右で表記(社長が一番左だったり、右だったり)する会社も多くあります。
このような些細なことにも、組織運営の工夫が見えます。
会社の大きな問題が起きる場所がわかる
問題は組織間(部署と部署の間)でおきる
会社には様々な問題がおきています。そして重く大きな問題はすべてと言っても過言ではないくらい、組織間(部署と部署の間)でおきています。
分業することで、担当する組織の責任を負います。結果、組織内だけで物事を考える傾向が顕著に出ますので、部署内の問題は各部署で解決できます。
ただ、自分で手を出せる範囲を超える組織間の問題は、責任に範疇を超えるのでそのまま放置されることが起きます。
例えば営業部は生産部内のことについて、要望はできても改善はできません。その逆も同じです。
その上、会社に問題が起きていても、営業部・生産部ともちゃんとやっていると自分たちが思っていたら、課題は何も解決しません。結果、部署間に課題が眠ってしまいます。
本来は部署と部署を統括する上位役職者が解決すべき問題です。ただ、難しい課題であることも多く、マネジメント力も必要なため、そのまま課題解決できないままになることが多くあります。
組織図の「種類」
組織図のパターンは、大きく3つに分けることができます。ひとつずつ説明しています。
機能別組織
営業・製造・開発という機能で分ける方法
メリットは、各機能で集まるので各機能のスキルアップが図りやすいことです。
デメリットは、部間での各種調整が難しいことです。全体責任を持つのは社長1名のみになります。
例えば、商品が多数持っている会社の場合、製造部はA商品に力を入れたいと思っても、営業部ではB商品を売りたい等の要望を持つ場合、調整できるのは最上位の社長のみとなります。
このような問題を解決できるのは社長のみなので、さまざまな課題解決が1人に集中することになります。
事業部別組織
事業ごとに組織を分ける方法
メリットは、各事業の責任者がすべてを判断できるので、意思決定が早く小回りが利くことです。
デメリットは、各機能を各事業に置くため、同じような機能が複数発生してしまい人員が多く必要になることです。
最近多いホールディングス化などのカンパニー制も考え方は同じです。
マトリックス組織
機能別組織と事業別組織のいいとこ取りを狙う方法
メリットは、2つの組織に所属するため、全体を把握しやすく業務効率が上がりやすいことです。
デメリットは、命令系統が2つあることの複雑さです。1つの事案を決める人を複数いるため意見調整が難しくなります。
デメリットを解消するには、上位階層で事前に調整することが必要となります。結果、経営者と管理職のスキルが大きく求められるため、この形態の組織はそれほど多くないのが実情です。
組織図の「まとめ」
・組織は戦略に従うため、戦略が想定できる
・戦略実行の分業体制がわかる
・指示命令系統がわかる
・会社の大きな問題が起きる場所がわかる
分けるから生産性が上がる。でも分けるから問題が発生する。この二律背反問題を解くのが組織を作る際の最重要ポイントとなります。
そして、分けた組織と組織の間に必ず課題が発生します。これが分業の難しい点です。
他にもビジネスの基礎知識をまとめた、「知っておきたい ビジネス基礎知識50選」と言う記事があります。参照下さい。
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