「ビジネスモデル(売上獲得モデル)はたったの3つ」をわかりやすく解説

3.ビジネス基礎知識
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ビジネスモデルは、何種類あるのでしょうか?

人により分け方が異なるため、正解は人それぞれです。

ただ、ビジネスモデルの根幹は、お客様からお金を頂く方法です。実はお金を頂く方法は、抽象化すればたった3つしかありません。

さまざまなビジネスは、この3つの派生形に過ぎません。

まずはこの「幹」を理解することが、すべてを把握する近道です。

その上で、この3つの幹に追加の内容を付加をしてくことでビジネスモデルを使う本当の目的が達成できます。

この記事では、ビジネスモデルの3つについてわかりやすく解説しています。

この3つを知っておくことで、枝葉ではなく幹を把握することができます。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識

3つのビジネスモデル(売上獲得モデル)

①直接提供モデル
②マッチングモデル
③代理モデル

上記3つがビジネスモデル(売上獲得モデル)の根幹です。

直接提供モデルとは、「仕入れや自社製造」の「製品・商品・サービス」を「販売・提供」するモデルです。

マッチングモデルとは、「人が沢山集まる場」を作り、売りたい人に「告知」や「販売機会」を提供するモデルです。

代理モデルとは、製品・サービス提供に関わる業務を、本来の主体者に代わっておこなうモデルです。

これらが、世間に無数に存在するビジネスモデルの「基本形」となります。

ビジネスモデルとは?

どのような価値を創り、どのように販売して収益化するかをパターン化したもの

たくさんの会社があり、各社それぞれ工夫しながら利益を上げる努力をしています。

各社とも収益を上げる方法を新しく考える際に、ビジネスモデルがパターン化されていると参考にしやすくなります。

その需要にあわせて、コンサル会社等がパターン化したものがビジネスモデルです。

ビジネスモデルの数が違う理由

分け方の粒度が異なるため

ビジネスモデルの数を調べると、9、12、18、31モデルと人によりさまざまな数で表わされています。

数が変わる理由は、商品形態(小売や製造)、販売方法(直接販売、代理販売)、価格(商品価格、サブスク価格)などをどう分けるかの粒度が異なるからです。

これが、ビジネスモデルを学ぶ際の難点となり、どれを信じればいいのかが分からなくなります。

ビジネスモデルが3つの理由

抽象化すると3つに集約

そもそもビジネスモデルをパターン化する目的は何でしょうか?

収益アップの方法を考える際に、内容理解・共有・創造・分析をしやすくするためです。

パターンに分けることが目的ではありません。

また、お金をもらえる唯一の存在は顧客だけです。

お客様にどのような方法でお金をもらうかを、枝葉を取り除き抽象化していくとたった3モデルに絞ることができます。

製品・商品・サービスを提供する対価としてお金をもらう(直接提供モデル)。

人が集まる場を作り、その人との接点を提供する(マッチングモデル)

様々な業務を変わりにおこなう(代理モデル)。

これら3つに集約されます。

その他のモデルは、抽象化した3つのいずれかの変形バージョンでしかありません。
具体例を紹介します。

3つのビジネスモデルの詳細と具体例

3つのビジネスモデルをそれぞれ説明します。

直接提供モデル

「仕入れや自社製造の製品・商品・サービス」を、「販売(一括)や使用権の提供(月額)」という形で提供します。

・実物の製品・商品・サービス
・ネットの中のコンテンツ

   +

・商品を仕入れる
・自社製品を作る

   +

・一括で販売
・月額使用料をもらう

これらが基本的な直接販売モデルです。

直接販売モデルの具体例は以下です。

・スーパーやコンビニは、実物の商品を仕入れて販売します。

・メーカーは、実物の自社製品を製造し、販売店に販売してもらいます。

・Saas事業は、ネット内に自社コンテンツを作り、月額使用料をもらいます。

・金融業は、お金を仕入れてお金を貸与します。

・動画配信サービス(ネットフリックス等)は、映画やドラマを仕入れて、月額使用料をもらいます。

・情報共有などのグループウェアは、ネット内に自社製品を製造し、使用権を月額使用料としてもらいます。

・商社は、実物の製品・商品・サービスを仕入れて販売します。

・飲食業は、食材を仕入れて、加工して、販売します。

・ネット通販業は、自社製品もしくは仕入れ商品をネットで販売します。

・コンサル会社は、ノウハウという自社商品を顧客に販売します。

賃貸住宅は、家を仕入れ、月額使用料をもらいます。

色々な商売がありますが、このように表現すると根本は同じことなのです。

サブスクという形式が最近多いように感じる方のいるかと思いますが、家賃、駐車場という昔からある形態と何も変わりません。

言い方が変わっただけで新しく感じているだけです。

粗利率は、実物販売とネットコンテンツ販売ではネットコンテンツ販売が高い利益率となります。

仕入れ販売と自社製品では自社製品の方が高い粗利率になる可能性があります。

一括で販売と月額使用料では、定期的にお金をもらえるので、月額使用料の方が粗利率は高くなりやすいです。

それぞれの詳細は後述します。

マッチングモデル

人が沢山集まる場を作り、売りたい人に告知や販売機会を提供します。プラットフォームビジネスとも言われます。

マッチングモデル内のバリエーションは以下です。

クライアントへの課金
・月額の場所代
・売れた額の一定率課金
・より売れるための販促代

 +

カスタマーへの課金
・特典の特別待遇

 +

その他の人への課金
・広告枠提供

上記の選択により、収益源が変わります。

マッチングモデルの具体例は以下です。

クライアントとカスタマーをマッチング

GoogleやYahooは、自分の検索サイトに人を集めて、各企業に「広告枠を提供」します。

楽天は、クライアントから「月額の場所代」「売れた一定率」「販促代」をもらいます。

ZOZOは、ZOZO TOWNでクライアントから「売れた一定率」「販促代」をもらいます。

転職サイト(マイナビ等)は、人を採用したい企業に、「場所代として広告」をもらいます。

カスタマー同士をマッチング

婚活サイトでは、出会いたい男性と出会いたい女性をマッチングします。

メルカリは、何かを売りたい人と何かを買いたい人をマッチングします。

このように「場(プラットフォーム)」を作って人が集まることで、このビジネスモデルは成り立ちます。

ただし、人を集めるためにはかなりのコストがかかるため、潤沢な資金がある会社でないと難しい方法です。

マッチングごとの変動費はかからないため、一度軌道に乗れば粗利率は高くなるのが特徴です。

このモデルはリボン図という以下の一枚の絵で全体を表すことができます。

(マッチングモデルを一枚の絵で表すリボン図の詳細は、「リボン図(マッチングモデル)」をわかりやすく解説&使い方紹介を参照)

代理モデル

製品・サービスや、その提供に関わる業務を、本来おこなうべき企業や個人の代わりにおこなうモデルです。

代理モデルの具体例は以下です。

広告代理店は広告枠および広告物作成を代理でおこないます。

車の販売店は、メーカーの代理で車を販売します。

旅行代理店は、飛行機やホテルを旅行したい人の代理で仕入れて販売します。

代理モデルは、基本的に仕入れて販売するタイプなので、マージンを上乗せして販売する収益構造のため、粗利率は低くなります。

(参照)直接販売モデルの粗利率の追加説明

直接提供モデルの粗利率

売上が上がったとしても、利益が出なければ意味がありません。粗利率(売上総利益率)については、どうでしょうか?

(粗利率=売上総利益率の詳細は財務三表をつなげて理解「損益計算書(P/L)」を参照)

実物製品とネットコンテンツの比較

「実物製品」と「ネットの中のコンテンツを利用したサービス」では「ネットの中のコンテンツを利用したサービス」の方が粗利率は高くなります。

例えば、車のように実物を提供する場合、2台販売できれば、2台分の原材料代がかかります。

ただ、Saasのようにネット内のコンテンツでは、お客様が2社になっても、かかる原価はほぼ変わりません。

ネットビジネスが大きく伸びているのは、売上を上げる→利益率が高いのですぐに利益が出る→投資ができる→大きく伸びるという構造になりやすいからです。

仕入れ販売と自社製品の比較

実物の商品を販売する際の「仕入れ販売」と「自社製品販売」では、一定数を超えれば断然「自社製品」の方が粗利率は高くなります。

仕入れ販売だとどうしても上乗せできる金額が一定の率及び少額となります。基本的に競合も同じものを仕入れることができるからです。

自社製造だと、作れば作るほど、1製品当たりの変動費は1製品ごとに増えていきますが、固定費は変わらないため、多く売ることで1製品当たりの原価は下がっていきます。

もちろん売れなければ1販売当たりの固定費が増えますので、原価は上がります。

(自社製造の収益構造は、「損益分岐点」を複雑な計算式なしでわかりやすく解説を参照)

一括で販売と月額使用料の比較

「所有権ごと販売し、一括でお金をもらう」と「貸与し、月額でもらう」では、継続することを前提とすれば、「貸与し、月額でもらう」方が粗利率は高くなる傾向があります。

もちろん、毎月お金を払っても良いと思うだけのものを提供し続ける必要があり、コストはかかってきます。

ただ、一旦月額で払い始めるとそのまま惰性で続ける人も多いのが実情です。

最近の動画配信サービスなどはほとんど月額制のサブスクリプションです。

まとめ

1、直接提供モデル

「仕入れや自社製造」の「製品・商品・サービス」を、「販売・提供」

2、マッチングモデル

「人が沢山集まる場」を作り、売りたい人に「告知」や「販売機会」を提供

3、代理モデル

製品・商品・サービス提供に関わる業務を、主体者に代わって実行

上記の3モデルが基本となり、その中でバリエーションがあります。

皆さんの会社はどんなモデルですか?また、どんなモデルになればもっと売上が上がりそうですか?このような目線で働く会社や知っている会社を見てみて下さい。

案外同じことをしていると気づくこともありますよ。

他にもさまざまなビジネス基礎知識の記事を書いています。まずはまとめ記事の知っておきたい ビジネス基礎知識51選を参照下さい。

noteで、「3つのビジネスモデル」含めた、4つのテーマでTV局の現状分析をしています。参照下さい。

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