ビジネスの現場や日々の議論の中で、「この人は考えが深いな」と感じる人もいれば、どこか「浅いな」と感じてしまう人もいます。
この差はどこから生まれるのでしょうか。
知識の量やフレームワークの知識など様々な要素はありますが、一番大きな差は「すぐに打ち手を考えているか、一旦『目的・課題』を明確にした上で打ち手を考えているか」という思考プロセスの違いにあると思っています。
1. 思考プロセスの本質的な違い
「考えが浅い」と感じられる人は、問題が起きた際に「現象→打ち手」という直結型の反応をしがちです。例として 「売上が下がった(現象)」→「キャンペーンをやろう(打ち手)」。
一方、「考えが深い」人は、必ずその間に「目的」と「課題(構造的要因)」というフィルターを挟みます。
例として「売上が下がった(現象)」→「本来届けるべき価値は何か?(目的)」→「なぜ今それが届いていないのか?(真の課題)」→「だからこの打つ手になる(打ち手)」。
打ち手そのものが同じ「内容」になったとしても、「なぜその打ち手なのか」というロジックの長さと太さが全く異なるため、周囲からの信頼感も大きく変わります。
2. 「目的・課題」を挟むことで生まれるメリット打ち手の妥当性が高まる
思いつきではなく、課題解決に直結した筋の良い手段を選べるようになります。
打ち手が失敗しても「課題の捉え直し」ができるため、すぐに別の手を出せます。また、手段の目的化(打ち手を実行すること自体が目的になる状態)に陥いりにくいです。
3. なぜ「いきなり打ち手」に走ってしまうのか?
人間には「早く結論を出して安心したい」という本能があります。
目的や課題を掘り下げる作業は抽象度が高く、脳に大きな負担がかかるため不快感を伴います。
一方、具体的な打ち手を考える作業は「進んでいる感」が得られやすいため、ついつい跳びついてしまいがちです。
つまり、考えが深い人とは、すぐに答えを出したくなる脳の本能の衝動を抑え、抽象度の高い「目的・課題」に向き合い続けられる知的な忍耐力を持った人なのだと思います。
