「マーケティングとは?」と検索すると、様々な解釈や定義が数多くヒットします。
ビジネス用語の中には、人によって意味合いが異なるものが少なくありません。 その中でも「マーケティング」は、定義・解釈・使い方が多岐にわたり、どのように理解すればよいか迷う典型的な言葉です。
このような言葉を理解するには、その言葉が指し示す「範囲」を明確にすることが重要です。
この記事では、「マーケティング」という言葉の「範囲」を広義、狭義、手法の3つの視点から解説し、その本質を分かりやすく説明します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
マーケティングとは?
広義:会社の活動そのもの
狭義:開発→生産→販売の仕組み作り
手法:市場調査、広告宣伝など
上記が、広義・狭義・手法それぞれのマーケティングの意味です。
このように人によって使い方が変わるため、その理解は難しいと感じられがちです。
また、「マーケティング」という言葉は響きが良いため、深く考えずに使われているケースも少なくありません。
しかし、これらを広義・狭義・手法に分けて整理し理解することで、マーケティングの全体像を明確に把握することができます。
それでは、3つの分類をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
広義:会社の活動そのもの
マーケティングには様々な定義がありますが、その中でも「価値を提供する活動および仕組み」という定義が最も一般的に使われています。
そもそも、価値を提供する活動や仕組みを持たない民間企業は存在するでしょうか?
価値を提供できなければ対価を得られず、会社は存続できません。つまり、価値を提供する活動および仕組みは、会社の活動そのものに他なりません。
したがって、広義における「マーケティング」とは、「会社の活動そのもの」を意味します。
狭義:開発→生産→販売の仕組み
広義の「会社の活動」をさらに掘り下げると、どのような活動が挙げられるでしょうか?
この「会社の活動」にも様々な定義が存在します。しかし、本質的にどの企業も行っていることは共通しています。
それは、顧客の課題解決やニーズを満たすことを、製品・商品・サービスを通して実現し、その対価として収益を得ることです。
当然、「製品・商品・サービス」がなければ、顧客の課題を解決することも、対価を得ることもできません。
では、その製品・商品・サービスを顧客に届けるにはどうすればよいか?
それは、「開発→生産→販売」という一連の工程を経て、顧客に価値を提供し、その対価を得るという流れです。
したがって、狭義における「マーケティング」とは、「開発→生産→販売の仕組み作り」を意味します。
(「開発→生産→販売」の詳細は、一番の基本「開発→生産→販売」フレームワークをわかりやすく解説を参照)
手法:市場調査、広告宣伝等
狭義である「開発→生産→販売の仕組み作り」を具体的な「手法(=打ち手)」に分解すると、会社の様々な業務に細分化できます。
例えば「開発」においては、そもそも顧客のニーズを正確に把握することが不可欠です。そのため、最初の打ち手として市場調査が挙げられます。
また、競合他社よりも優れた製品・サービスを提供するためには、素材開発や新しい商品開発も必要となります。
「販売」においては、顧客に製品・サービスを知ってもらい、さらに「欲しい」と思ってもらうことが重要です。
具体的な手法としては、広告宣伝や営業担当による直接営業のように顧客に直接働きかけるものから、顧客接点の最適化を図るMAツール(※原文に追記。なければ不要)などもあります。
これらの各業務で用いられる手法も、マーケティングの一部として広く「マーケティング」と呼ばれています。
広義・狭義・手法のまとめ
マーケティングという言葉の定義は多岐にわたります。だからこそ、広義・狭義・手法という枠組みで整理して理解しておくことが不可欠です。
このフレームワークを持つことで、自分自身がマーケティングの意味を深く理解できるだけでなく、他者がどのような定義でマーケティングという言葉を使っているのかも正確に把握できるようになります。
マーケティングが含まれる用語を検証
さらに理解を深めるために、マーケティングを含む様々な用語が、広義・狭義・手法のどの領域に該当するのか、または複数の解釈が存在する場合はそれぞれの意味合いを解説していきます。
グローバルマーケティング
「広義」・「狭義」で使用
グローバルマーケティングとは、ビジネスを日本だけでなく、世界全体を対象とし、「会社活動をおこなう」という広義の意味で使われます。
もうひとつは、ビジネスを日本だけでなく、世界全体で、「開発→生産→販売の仕組みを作る」という狭義の意味でも使われます。
デジタルマーケティング
「広義」・「狭義」・「手法」すべてにおいて使用
デジタルマーケティングとは、IT技術やAI等のデジタルを活用することで「会社の活動をおこなう」広義で使われます。
また、IT技術やAI等のデジタルを活用することで、「開発→生産→販売の仕組みを構築する」狭義の場合もあります。
その上、IT技術やAI等のデジタルを活用することで、「開発・生産・販売それぞれにおいて、今まで以上の効率化を図る」手法で使われることでもあります。
マーケティング戦略
「広義」・「狭義」で使用
マーケティング戦略とは、誰に何をどのように届けるかを決めることです。
ということは、「会社の活動そのもの」というとらえ方で「広義」で使われる場合と、活動を具体的にした「開発→生産→販売の仕組み作り」の「狭義」で使われる場合があります。
マーケティングオートメーション
「手法」で使用
マーケティングオートメーション(MA)とは、「顧客接点(販売活動)の最適化」を自動化し、受注を最大化するものです。
ということは、「手法」である販売活動で使われる言葉です。
マーケティングリサーチ
「広義」・「狭義」・「手法」すべてにおいて使用
マーケティングリサーチとは、「各種活動の意思決定」を支援する調査・分析のことです。
ということは、「広義」の会社の活動そのものの意思決定、「狭義」の「開発→生産→販売の仕組み作り」の意思決定、・「手法」である開発活動、生産活動、販売活動の意思決定を支援する調査・分析で使われる言葉です。
マーケティングミックス
「狭義」・「手法」で使用
マーケティングミックスとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の組み合わせです。この4つの頭文字をとって「4P」とも呼ばれます。
(詳しくは、4Pとは?マーケティング戦略で使えるフレームワークを解説を参照)
「狭義」である開発→生産→販売の仕組み作りの具体的な内容を表す言葉で使われる場合と、「手法」である開発、生産、販売それぞれの活動で使われる場合があります。
ダイレクトマーケティング
「手法」で使用
ダイレクトマーケティングとは、顧客と直接コミュニケーションを取りながら販売する手法のことです。
したがって、「手法」である販売活動で使われる言葉です。
このように各用語に応じて、マーケティングという言葉の意味が様々に使われていることが現状です。
マーケティングとは?の「まとめ」
広義:会社の活動そのもの
狭義:開発→生産→販売の仕組み作り
手法:市場調査、広告宣伝等
マーケティングは、この記事で解説した広義・狭義・手法のどのレイヤーにおいても使われる言葉であるため、人によってその使い方が異なります。
しかし、この3つの視点に分けて理解しておくことで、自分自身のマーケティングへの理解が深まるだけでなく、他者がどのような意図でこの言葉を使っているのかを正確に把握できるようになります。
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