会社の入ると必ず直属の上司がいます。ただ、本当に良い上司に出会う確率は低いのが現状です。
私は今まで17名の直属の上司がいましたが、分類分けすると、良い2名、普通5名、悪い6名、存在を抹消4名です。これ位の確率が普通です。
もうひとつの問題は、良い上司がおこなってくれてる良い行動を、上司の経験がない皆さんが気付かない場合もあります。
お互い人なので、相性は当然あります。ただ、相性の問題なのか?上司として不適合なのか?は判断しずらいからです。
実際に上司が変わったり、転職した時に、前の上司が実は良かったと思うことが多いのも事実です。
この記事では、良い上司が皆さんにおこなってくれる12の行動を解説します。
これを知ることで、良い上司に当たる確率が低いのはしょうがないとしても、実は良い上司であることを見逃すことがなくなります。
この記事は、
・3回の転職経験
・中途採用の責任者の経験
・多数の書類選考・面接の経験
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい いい会社の判断方法)
良い上司の定義
成長支援をしてくれる
まずは、良い上司とはどんな上司なのかを明確にしておきます。成長支援を精一杯おこなってくれる上司が良い上司です。
成長支援とは、helpではなく、supportです。なんでも教えてくれる上司が、必ずしも良い上司ではないのです。
なぜなら、なんでも教えてくれる上司は、あなたの成長機会を奪っている場合があるからです。
成長のために一番大事なことは、自分で考えて自分で行動して成功体験を積むことです。
(詳しくは、成功体験が大事なたった一つの理由と体験方法をわかりやすく解説を参照)
したがって、上司が何でも教えてくれると、自分でしっかり考えない状態で経験を積むことになり、経験から得られる成長機会が減ってしまいます。
もちろん、何も教えてくれないのは問題です。ただ、helpとsupportの違いをその場その場で判断しながらメンバーと関わり、メンバーの成長支援をおこなうことが、上司の役目なのです。
では現象ごとにどんな上司が良い上司かを解説していきます。
事象ごとに見る良い上司の見分け方
良い上司は「結果に至るプロセスを気づかせてくれる」
成果につながった気づいていない行動をほめてくれる
良い上司は、結果をほめてくれるだけではなく、その結果に至ったプロセスもほめてくれます。
更に最高の上司は、自分が気づいていないプロセスを気づかせてくれた上でほめてくれます。
結果には必ずプロセスがあります。そのプロセスにより結果が出ます。
したがって、結果が出たプロセスを理解できることで、良い結果の再現性が高くなるのです。
良い上司は、この事実をよく知っているからプロセスをほめてくれるのです。
良い上司は「ほめる時はみんなの前、叱る時はこっそり」
ほめる・叱るの場をわきまえてくれる
ほめてくれる時はみんなの前でほめてくれる。叱られる時は、出来るだけみんなにわからないように、時や場所を配慮して叱ってくれる上司は良い上司です。
誰だってほめられるのはうれしいです。それが、みんなの前だと更にうれしいです。
逆に、みんなの前で叱られるのは、あまり気持ちの良いものではないです。
その上、みんなの目が気になり、素直に受け入れることができなかったり、逆に言いたいことが言えなくなったりします。
したがって、会議室を使ったり、周りに人ができるだけ少ない時を狙ったり、小声で叱ってくれます。
逆にみんなの前で大声で怒る上司は、普段どんなに良い人でも、心を許してはいけません。
人として大きな問題があります。メンバーのためではなく、単に自分の不満をまき散らすことが大事な人だからです。
良い上司は「ほめる時はほめるだけで終わる」
ほめる効果を理解している
良い結果が出て結果を褒めてくれて、そのまま会話を終えたら良い上司です。
よくあるパターンが、ほめた会話の続きに別の話になり、気がつけば叱られることがあります。
ほめる会話が最終的にこのようになる上司は悪い上司です。
良い上司はメンバーをほめたいのです。したがって、ほめたことが帳消しになるこのような行為は絶対に避けます。
良い上司はぐっと我慢して一旦会話を終え、時間をおいてか別の機会に叱るのです。
良い上司は「相談している時は相談に全集中」
他の作業を一切せずに聞いてくれる
相談した時に、手を止めて(パソコンなどをやめて)対応してくれる上司は良い上司です。
忙しい等で作業しながら対応する上司は、相談相手のことを何も考えていない悪い上司です。
どれだけ忙しくても、上司の大事な仕事のひとつにメンバー対応があります。
その大事な仕事を大事にしない行動をとるということは、まずは自分、その次にメンバーという考え方なのです。
メンバーが大事なのであれば、ちゃんと作業をとめて話を聞きます。
どうしても急な仕事がある場合は、良い上司は、相談されないように会議室等の別場所に籠るか?もしくは今から〇分間緊急の仕事をしないといけなから、その後でも大丈夫?と確認してくれます。
良い上司は「メンバーの失敗は自分の責任」
責任の所在を理解している
上に立つ人の基本スタンスは、「メンバーの失敗は上司である自分の責任」、「メンバーの成功はメンバー自身の成果」と考えることです。これが実践できていれば良い上司、違えば悪い上司です。
組織を任されてる人は、メンバーの業務を通して成果を出すことが仕事です。したがって、メンバーに業務を割り振り、進捗管理・全体調整を行い成果につなげていきます。
ということは、メンバーが失敗するのは、自分が組織運営をできていないがゆえに失敗したと考えるのです。
逆に失敗したことを失敗した人だけのせいにするのは、自分の仕事を投げ出していることを理解していないのです。
良い上司は「起きた事象に対して叱る」
人格否定しない
メンバーの人間性そのものを叱るのではなく、起きた事象を叱る上司は良い上司です。
上司には、メンバーの成長のために叱らなければならないことがあります。ただその時は、起きた事象(=ミスなど)をベースに叱るのが基本です。
そして、起きたことの原因と対策が会話のベースとなることで、今後改善できる可能性が上がるからです。
逆に人物否定をする上司は悪い上司です。もっと悪い上司は、変えようがないこと(例えばあなたはセンスがないなど)を怒ります。
良い上司は「メンバーの基準を理解しようとする」
基準・思いは人それぞれ
たとえば、成長したいという思いは誰もが持っています。ただ、成長の高さは人によって違います。
したがって、その高さを理解しようとしてくれる上司は良い上司です。更に自然とその高さを引き上げてくれるのは最高の上司です。
悪い上司は、自分基準を押し付けるので、時にはパワハラとなります。
ただ、人により要望の高さを変えると業務のばらつきが出て、その結果組織目標を達成しづらくなります。
ただ、この二律背反を解くのは上司の大事な仕事です。
良い上司は「提出した提案書を持っている」
捨てたり返却しない
提出した提案書を、ちゃんと持っておいてくれるのは良い上司です。部下の仕事に敬意があるから簡単には捨てることができません。
悪い上司はその逆で、すぐに捨てるか返却します。当然その提案書の内容を忘れており、後程その提案書の内容について、平気で聞いてきます。
良い上司は「この前言ったよねと言いません」
伝わっていないのは自分の責任
「この前言ったよね」という上司に良い上司はいません。伝わっていないのは、自分の伝え方の問題だと思っていないからです。
人に何かを伝えることはとても難しいです。管理職でこのことに悩まない人はいません。
したがって、伝わっていなかった場合、たとえ部下のポカでもまずは自分の責任だと考えるからです。
良い上司は、「マネジメントの基本スタンスを分かっている」
マネジメントの基本スタンスは「聞いてあげて、ほめてあげて、我慢する」
役職者がメンバーと接する際、「聞いてあげて、ほめてあげて、我慢する」というスタンスがとても大事です。
逆に言えば、これをおこなってくれるマネジャーが良いマネジャーです。
良い上司は、「読書週間がある」
学ばない上司に良い上司はいない
良い上司にあり、悪い上司にないことは読書習慣です。私の経験上、悪い上司で読書習慣がある場合は少しありますが、読書習慣がない上司で良い上司であったことは一度もありません。
良い上司は、「一旦意見を受け止めてくれる」
何を言いたいかをちゃんと理解してくれる
良い上司は、どんな意見でも一旦受け止めてくれます。
言葉は完全ではなく、本意かどうかわからないことをわかっているからです。
悪い上司は、言葉だけで判断するだけでなく、自分と違う意見を受け入れてくれません。
本当に良い上司が行う12の行動の「まとめ」
業務で直接関わることになる上司は、とても大事な存在です。良い上司であれば最高ですが、良い上司に出会う確率は低いのが現状です。
そう思って上司を見たほうが現実的だと思います。期待しすぎないことが皆さんの精神状態を守ることになります。
だからこそ、良い上司や普通の上司に当たったら感謝しましょう。確率の低いことが実現しています。
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