先日発表された株式会社オリエンタルランドの2026年3月期決算。
テーマパーク事業は「増収減益」という結果でした。
一見すると堅調な増収ですが、その内訳を紐解くと、今の日本企業が抱える根深い課題が見えてきます。
「ライトファン」が離れる価格帯
増収の主な要因は、入園者数が増えたからではなく、「ゲスト1人当たりの売上単価」がアップしたことです。2026年3月期の単価は18,403円。
家族4人で楽しもうと思えば、日帰り7万円を超えてしまいます。
私の周りの若い社員に聞いても、「さすがに高すぎて、最近は足が遠のいた」という声が聞こえてくるようになりました。
一部の熱心なファンに支えられて単価アップで増収を維持していますが、これは「ライトファンが離れていく」というリスクと隣り合わせの戦略です。
役員構成に見る「硬直化」のリスク
私が決算書を読んでいて、単価以上に気になったのが取締役の経歴と年齢です。(2026年5月現在)
代表取締役 議長: 90歳(1981年より取締役)
代表取締役 会長: 69歳(1980年新卒入社)
代表取締役 社長: 68歳(1981年新卒入社)
取締役 : 60歳(1989年新卒入社)
4名中3名が60代後半〜90代。しかも、その多くがいわゆる「生え抜き」の役員です。
※年齢と入社年度から新卒入社だと想定しています。
もちろん、これまでの素晴らしい成長を築いてきた功労者であることは間違いありません。
しかし、これほどまでに同じ会社でしか働いたことがない高齢のリーダー層が揃っている状況で、今の時代の劇的な変化に対応した「改革」ができるのでしょうか。
過去の成功体験という「壁」
現在苦戦しているマスメディア業界も、同様に生え抜きの高齢役員が中心の組織がほとんどです。
組織において、過去の大きな成功体験は、時として「変化」を阻む最大の障壁になります。
「これまではこれで上手くいった」という自負が、新しい血を入れることや、ビジネスモデルそのものを疑うことを難しくさせてしまうのです。
夢の国であり続けるために
伝統を守ることは大切です。しかし、今のオリエンタルランドに必要なのは、単なる値上げによる増収の維持ではなく、次の時代を見据えた思い切った新陳代謝ではないでしょうか。
外部の視点を取り入れ、新しい世代にバトンを繋ぐ。
夢の国が、これからもあらゆる世代にとっての「夢の国」であり続けるために、今こそ組織のあり方を俯瞰して見直す時期に来ていると感じます。

